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CultureWatcher

Takako Fujiki

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「人の醜悪さこそが美しい」情念のダンサーSakamoto海外進出への足がかり

2022年8月26日

You will be the first witness to new movement of “Butoh”,
by Sakamoto from Japan,
the place that Butoh was born.

“Fair is foul, and foul is fair.”
– by Shakespeare

こんにちは。カルチャーウォッチャーの藤木高子です。

今回はダンサー、Hiromi Sakamoto(坂本博美)さんが、海外へ活躍の場を広めたいという希望から、ニューヨークへの進出を提案しました。


Sakamotoがたどり着いた自己表現法、Butoh(舞踏)とは、

Butoh は日本独自の伝統と前衛を融合させたダンスのスタイルとして1960年代に日本で生まれました。既存のダンスが、身体の美しさを追求するのに対して、Butohは人間の負の感情、醜悪さ、哀しみなどを表現するのが特徴です。

Sakamotoはクラシック、モダンダンス、ジャズダンス、ヒップホップ等、さまざまなダンスのジャンルを遍歴し、最終的にButohにたどりつきました。

Butohでしか表現できない負の感情の中にある美しさに魅せられ、自己表現として追求を続けています。


なぜニューヨーク進出を目指すのか

日本で生まれたButohですが、認知度は海外の方が高く、特にニューヨークでは人気のあるダンスジャンルの一つです。Butoh Institute という専門の劇場があり、定期的に有名な舞踏家を招聘し公演も開催されています。

そこで、ダンサーとして海外における活動の場を広げるには、舞踏をこよなく愛するファンがたくさんいるニューヨークから活動をスタートするのがよいのではと、サジェストしました。

折りしも、コロナ禍により、オンラインで踊るダンスフィルムという新しいアートフォームが確立され始めたころでした。

当時、ニューヨークではダンス公演が次々と中止になり、ニューヨークで活動を開始するといっても、渡米もままならない状況でした。しかし、アートフィルムという分野であれば、場所は関係ありません。

むしろ動画だけで認知を広げられる可能性があるチャンスではないかと、ダンスのアートフィルムを制作して発表することを勧めました。


小泉八雲の「雪女」動画制作チーム結成

そこで、女性のセルフブランディングをサポートする”驚異の女子会ティラノサウルス”というコミュニティーの中で、 Sakamotoの動画制作プロジェクトチームが編成されました。

題材は世界に知られる小泉八雲の「雪女」。

この題材を通して、Sakamotoは、自身の長年のテーマである「けなげな美しさ」を表現しようと意図していました。しかし、海外在住経験が長い藤木の目には、雪女の自己犠牲的な愛は、海外では共感されにくいように見えました。そこで、藤木はそうした文化的なバックグランドの違いをチームに伝えました。

しかし、Sakamotoは、雪女の哀しみや愛といった「日本独特の世界感」を日本人のButohダンサーとしてどうしても伝えたいと思い、表現次第で、価値観の違う海外の人々にも、人間の普遍的な感情として伝わるという信念がありました。

そこで、それらをButohを通してどうやって伝えていくか、動画チームで日夜ディスカッションが交わされ、表現に工夫を凝らしました。単にButohのダンスフィルムのみにとどまらず、雪女というストーリーのコンセプトを伝える詩を加えることで、アートフィルムとして昇華させたのです。藤木は、これらの動画制作工程に携わり、英語版の詩の英訳も手がけました。


ニューヨークのダンス関係者、メディアに動画を送った。

こうして、約半年もの制作期間を経て「雪女」の動画が完成したのです。

完成した動画は、ニューヨークのダンス関連のメディアに配信し、関連するアート系のウェブサイトの公募など、多くのサイトにも応募しました。

配信先、応募先なども、藤木のCulture Watcherとしての、見識やネットワークに基づいて、一般にはなかなか見つけにくいようなニッチな送信先を収集できたのではないかと自負しています。

送信する内容についても、対象に合わせてパーソナライズした英文メールを執筆し、丁寧に一通ずつ送信しました。


今後のSakamotoの展開について

Sakamotoのニューヨーク進出はまだまだこれからです。次回以降も、日本的なテーマを題材にシリーズ化したアートフィルムを次々に制作していこうと意欲を燃やしています。

藤木も、継続して彼女をサポートしていく予定です。今後のSakamotoの活躍をご期待ください。


坂本博美 Hiromi Sakamoto

ダンサー。学生時代に躍りに出会う。ストリートダンス、モダン、ジャズダンス、コンテンポラリーを経て舞踏にたどり着く。抗い、目を背けたくなる感情をも美しい。日本の精神的背景に基づく美しさを表現するため探求を続ける。




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日本文化を海外にとどけるアートディレクション

2022年7月23日

日々、コロナと戦う人々を前に
私には何ができるだろう。
ひとりのアーティストの祈りと願いから
「あまびえ塗り絵プロジェクト」は始まりました。
この思いが海の向こうまで届きますように。

こんにちは。カルチャーウォッチャーの藤木高子です。
今回はアーティスト小熊麻紗子さんの「あまびえ塗り絵プロジェクト」についてご報告します。

小熊さんは精密な油絵、アートフィルム制作、ディレクションを手がけるマルチアーティストです。


日本古来の言い伝えに願いを乗せ、海外に届けたい。

コロナ禍でアーティストの自分に何ができるか、小熊麻紗子さんは自らに問いかけました。そして発足した「あまびえ塗り絵プロジェクト」。

あまびえ様って誰? 

日本では、パンデミックが蔓延し始めた頃から、しだいにあまびえ様が注目されはじめました。あまびえ様は疫病が流行ると現われる妖怪で、その姿を描いて世に広めれば疫病が終息すると言い伝えられています。

「あまびえ塗り絵プロジェクト」とは?

「あまびえ塗り絵プロジェクト」は、その伝承に基づいた企画で、SNS上であまびえ様の塗り絵を配布して、人々に塗ってもらうよう呼びかけました。この企画は、一歳半から95歳の人々、のべ800人以上の賛同を得、たくさんの塗り絵が集まりました。

集めた800枚超の塗り絵は、福岡の美術館に一週間ほど展示された後、糸島市の六所神社にてお焚き上げされました。

せっかく描いた絵をなぜ焼いたのか?

お焚き上げをした後は、神社の宮司様が灰を川に流し、海へ届けました。

せっかく描いた多くの絵をなぜ、焼いてしまったのでしょうか。それは、炎によって絵を浄化し、絵にこめられた人々の想いを天に届けたいと願ったからです。そして、”絵を焼く”という行為自体もアートと捉え、一連の流れをアートフィルムとして昇華しました。


「あまびえ塗り絵プロジェクト」を海外に届けたい

小熊さんは、このプロジェクトがグローバルな共感を得られると思い、海外にも知ってもらいたいと考えました。しかし、誰にどうやってリーチアウトするのかわかりません。そこで、ニューヨークでアートイベントを手がけた実績を持つ藤木に声がかかりました。

海外に届ける際のハードルは? 日本独自の思想をどうやって伝える?

あまびえ様は、もちろん海外ではまったく知られていません。また、「お焚き上げ」など、日本独自の思想に基づいている概念は、たんなる直訳では伝わりません。そこで、日本古来の思想を分析し、NYの人々にも理解できるような形の英文として再構築し、わかりやすく表現しました。

アーティスト本人が気づいていなかった、海外で認められるアートとは?

海外では、アートのコンセプトをきちんと言葉で表現するという文化があり、コンセプトが非常に重視されています。そこで、小熊さんと数回にわたってディスカッションを重ね、アートフィルムのコンセプト表現を磨き上げていくプロセスをサポートしました。

その結果、「祈り」というコンセプトが明確になり、コンセプトを強調するメッセージが追加されたことで、全世界に共感される作品となりました。

海外に伝えるためにアートフィルムの英語版作成と、ニュースリリースをNY配信

藤木のディレクションにより追加されたメッセージを含め、動画にはわかりやすい英語のナレーションをつけ、一連のプロジェクトをニュースリリースにまとめて、主要なNYメディアに配信しました。

このときに配信したニュースレターは、印刷したものを額装し、福岡アジア美術館に展示され、企画に参加した人々にも大いに喜ばれました。

日本的な文化と海外の橋渡しができ、小熊麻紗子さんの海外におけるアーティスト活動の第一歩となりました。

“One Coloring Picture Story” Amabie Coloring Project

小熊 麻紗子

リサイクルの絹に油絵を描く。音楽と油絵の融合したアートフィルム制作とディレクション。全ての作品のテーマは、 “Love letter”。

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NYでの焼酎イベントの開催をサポートしています

2022年6月24日

こんにちは。カルチャーウォッチャーの藤木高子です。

今回は、焼酎プロデューサー黒瀬暢子さんの、NYにおけるイベント開催に関して行ったサポートについてお話しします。

焼酎女子会をNYで開催したい!

今回のクライアントは、焼酎プロデューサーの黒瀬暢子さん。黒瀬さんは、焼酎文化の始祖とも言える黒瀬杜氏の末裔で、焼酎を広めることをミッションとして日々邁進していらっしゃいます。そんな黒瀬さんの一つの夢は「NYで焼酎女子会を開催したい!」

「焼酎女子会enjoy!」は、黒瀬さんが主催する焼酎をテーマにした女子会です。焼酎に合う美味しい料理も人気で、コロナ禍でもオンラインで継続し、のべ100回以上開催されています。

夢の実現にむけた藤木のサポートは?

焼酎女子会をNYで開催するといっても、クライアントにとっては、何をどうしたらいいかイメージがわかないという状態でした。そこで、NYでのイベント企画の実績がある藤木がサポートすることになりました。

まずは、焼酎プロデューサー黒瀬さんの紹介と、黒瀬さん考案の美味しい焼酎カクテルレシピなどの動画ほか、広報活動についてニュースレターにまとめ、NYのメディア、関係者に配信しました。

さらに、NY総領事館に飛び、NYにおける焼酎の認知度などをヒアリング。焼酎女子会の開催を打診してきました。その後、具体的に開催場所などのコーディネートも進めていたところ、コロナによりいったん中断することになりました。

また、ふだんから関連しそうな情報には常にアンテナを張っており、NYのニュースやイベントなどから、必要な情報を集めて随時お届けしています。

100回記念焼酎女子会の裏側にも……

一方、オンライン焼酎女子会の記念すべき100回目には、特別ゲストとして焼酎伝道師のペレグリニ氏に参加してもらえることに。

ペレグリニ氏は日本在住のアメリカ人で、焼酎業界では著名な方。藤木は、事前打ち合わせなどを英語で仲介したり、文化の違いなどを黒瀬さんに説明して、円滑なコミュニケーションを実現しました。

この開催は、NYにおける焼酎女子会開催の布石となるでしょう。

コロナ禍も徐々に収束に向かいつつあり、NYでも人々の活動が復帰しはじめています。NYでの焼酎女子会開催も近いうちに叶うことでしょう。

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NYジャピオン誌のペット特集に写真が掲載されました!

2021年10月19日

こんにちは。カルチャーウォッチャーの藤木高子です。ニューヨーク在住時に秘書業務やイベント企画などを手掛けていた経験を活かして、ニューヨークと日本の文化をつなぐ活動をしています。

そうした活動の一環として表題のとおり、ニューヨークへの情報配信についての実績の報告をします。

ペットちゃん達、飼い主より一足先にニューヨークデビュー!

わたしは、広報をしていた経歴から、ニューヨークのメディアに伝手があり、日頃より情報収集をしています。ある時、ニューヨークの日経コミュニティ新聞「NYジャピオン」誌で「ペット特集」の企画があるという情報を入手しました。

多くのアーティストやフリーランス女子がセルフブランディングを学ぶ女子会「ティラノサウルス女子会」に、わたしも参加しているのですが、ペット関連の事業を営んでいるメンバーもいらっしゃいます。

そこで、SNSを通して女子会に向けて募集を行い、集まった情報を元に、ペットに関連するメンバーのアーティスト活動を紹介するニュースリリースを作成し、ニューヨークへ発信しました。

そして、メンバーのペットちゃんたちの愛らしい写真とプロフィールが、「NYジャピオン」誌のペット特集に掲載されました。

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NYメディアに医療従事者を応援するメッセージ動画を紹介し、反響がありました

2021年10月19日

国連事務総長、NY衛生局、NY交通局、NY消防庁より感謝状が届きました

On behalf of the Secretary-General, thank you for your gift of your song/ A・RI・ GA・TO

国連本部【United Nations Headquarters】

We appreciate the time you took to create and share your thoughtful video thanking New York City’s essential workers including our Sanitation Workers for their extraordinary service and commitment to keep New York City clean and safe. We will share the link.

衛生局【New York City Department of Sanitation (DSNY)】

We especially would like to thank you for the song you wrote in honor of us to say Thank You!!

消防局【New York City Fire Department (FDNY)】

Wow, what a wonderful gesture you made sending our team such a beautiful video. From New York back to Tokyo much appreciations! Stay well and healthy.

交通局【Metropolitan Transportation Authority (MTA)】

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NY Flag Projectにて日本人写真家の入賞を支援しました

2021年6月7日

ニューヨークの「Flag Project」は、かの有名なロックフェラーセンターが立ち上げたイベント。脅威をふるうコロナに負け気味なニューヨーカーを鼓舞するためのプロジェクトです。

「あなたの作品を旗にしてニューヨークを応援しよう」

第二回目は写真がテーマ。全世界から1200を超える応募があり、数々の著名なフォトグラファーと並んで、日本の写真家、岩澤 深芳さんの作品が選出されました。

NYロックフェラーセンターで写真が旗として実際に掲揚されている様子

この記事では、この世界的なプロジェクトに日本から応募し、受賞するという快挙にいたるまでの過程をご紹介したいと思います。

Flag Project 第二回開催

こんにちは。Culture Watcher 藤木高子です。

CultureWatcherとして、日頃から、ニューリョークのイベントについてはアンテナを張り巡らせています。2020年3月ごろ、このプロジェクトについて知ると、さっそく自身の情報発信メディア「ニューヨーク配信」にて、情報を告知しました。

プロジェクトの紹介と応募方法を掲載するとともに、数名の応募を推薦。

応募の壁

しかし、応募サイトはもちろん英語。そこで、推薦者には、応募申請の英訳をサポートしました。

作品が生まれるにあたっての思い、出来事などのエピソードをヒアリングして紹介文を作成しました。

実はこの受付フォームには問題があって、海外からの応募を受け付けているにもかかわらず、海外の住所は入力できないようになっていました。ロックフェラーセンターに問い合わせるが返答はなく。さしあたって、わたしのニューヨークの住所を使うなどで対応しました。

応募作品の選定

写真家の岩澤 深芳さんとは以前からの知己でした。彼女は、世界中を旅し作品を撮り続ける日本在住のフォトグラファー。その土地の会話や街の息吹を感じられる作風が特徴です。

ニューヨークにあわせるのではなく、彼女の中のニューヨークを思うがままに表現した作品がよいとアドバイスさせていただきました。

そして、写真の歴史に名前が載るほどの著名な写真家たちと並んで、見事に選出されるという快挙となりました。

入賞した作品はxxxx年〜までロックフェラーセンターに掲載されました。コロナのご時世で実際に観にいけず残念でしたが、かわりにニューヨーク在住の知人・友人から写真や動画を送ってもらったものがこちらです。

当選後の手続きのフォロー

当選後も、住所確認、カタログの郵送などちょっとした業務のアレンジも行いました。こうしたことも英語で行わなければならないので、日本のアーティストにとっては高い障壁となりがちですが、密にフォローさせていただき、スムーズに各種手続きを完了することができました。

作品がフラッグに

会期 〜 の間、岩澤さんの作品は旗になり、ニューヨークロックフェラーセンターに掲げられていました。このニュースを報じるwebメディアでは、この作品に関して、他の旗よりも詳細に紹介をいただけるという嬉しい出来事もありました。以下、抜粋です。

The resulting flag collection is multifaceted, much like the city. Certain images are indelible to its landscape. There’s a psychedelically colored, double-exposed Coney Island shot, complete with the Ferris wheel and seagulls. There’s an inimitable New York hot dog stand with its proprietor proudly posing for the camera. There’s an iconic yellow taxi cab entirely composed of tinsel and Christmas lights with a child beaming in front of it. Then there’s a bustling intersection filled with a (real) taxi and everyday pedestrians, taken under a long exposure.

The Spirit of New York Is Flying High at Rockefeller Center

Culture Watcherとして、日本人の写真家がNewYorkで活躍していくための一歩のお手伝いができて光栄に思っています。

またこのプロジェクトを通して、現地の人々の心を少しでも癒す一助となれていたら嬉しいです。

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